• 「全身歯科」

  • 「全身歯科」書評

    「土と健康」編集委員 中村易世

    30年来心臓内科医をやってきて、いつも健康でいるには、優れた歯科医を持つに限ると思うようになりました

     

    慢性疾患の原因が見つかるかも・・・
    不勉強な医者にかかるほど不運なことはありません。大切な人の、そして自分自身の健康を守るためには、自分で病気のしくみを勉強して、信頼できる医者を選ぶ判断力を養うことが大切です。

    そんなこと常識。言われなくてもわかっています! という声が聞こえてきそうです。
    脳や心臓に疾患がある、がんが発見された、難病にかかったなどの深刻な事態になれば当然、できる限りの情報を集めて、医者や病院を選ぶでしょう。

    では、歯科医は何を基準に選びますか?
    インターネット上にも書店にも「歯医者の選び方」「口腔ケア」「かみ合わせ」などなど、歯に関する情報があふれています。歯科医も虫歯や歯槽膿漏予防のための歯磨きを心掛けるよう患者を指導します。しかし、例えば、「歯と心臓はつながっている」といわれて理解できる人がどれだけいるでしょうか? 慢性的な歯の炎症が冠動脈に障害を起こし、アルツハイマー病、がん、関節炎など多くの健康問題を起こすというのです。本書の『まえがき』には、こうあります。

    「30年来心臓内科医をやってきて、いつも健康でいるには、優れた歯科医を持つに限ると思うようになりました」「(本書は)目からうろこの本で・・・中略・・・あなたの理由のわからない長年の慢性疾患の答えが見つかるかもしれません」

    心臓内科医の言葉どおり、本書には、目からうろこの治癒症例 ——足のしびれの原因は親不知だった、アトピー性皮膚炎の原因はフッ素だった、など—— がたくさん紹介されています。

    真実は隠蔽される
    あなたは歯にアマルガムの詰め物をしていませんか? フッ素入りの歯磨きを使っていませんか? 著者のブレーナー博士は、40年以上に及ぶ開業歯科医としての治療実績をもとに、水銀を含むアマルガムの毒性やフッ素の危険性を指摘しています。一方で、アマルガムもフッ素も歯科治療に有効で安全だ、という歯科医がいることも事実です。真実はどちらにあるか。本書は、その判断力を養うのに十分な情報を提供してくれる、貴重な一冊です。

    ところで、口腔の問題が全身の病気に関係していることは、既に1923年にウェストンA.プライス博士の著書『歯性感染』によって明らかにされたものの、あまりに衝撃的であるという理由で隠蔽されたそうです。真実が隠蔽されるのは、医療の世界も例外ではないということです。

     

    プライス博士が明らかにした真実に再び注目し、その研究成果をもとに書かれた「虫歯から始まる全身の病気 ー隠されてきた歯原病の実態ー」(ジョージ E.マイニー著)は、本書を発行した「恒志会」が翻訳して、2008年に農文協から出したものです。

    「全身歯科」翻訳は本会の元理事・山田勝己さん
    「あらゆる病気の約80%は、完全に、または部分的に、口の問題とかかわっていると推定している」(ラインハルト・フォル博士)

    このことを一人でも多くの人に知ってほしいという一心から本書を翻訳した山田勝己さんは、本会科学部の元理事です。これまでも海外の優れた書籍やドキュメンタリー映画得お掘り出しては、自ら翻訳し、世に出すことに尽力してきました。

    中でも2007年に東京で国際有機農業映画祭を開催するきっかけともなったドキュメンタリー映画『食の未来』(日有研で販売。31ページ参照)は、全国各地で上映され、日本における遺伝子組み換え反対運動の広がりに、大きな役割を果たしています。

  • 「全身歯科」感想文

    ヨコハマリンデデンタル院長 小泉嘉津海

     

    私は9年余り全身との関連を念頭においた歯科治療を行って参りました。

     

    この本の率直な感想として、国を問わず「本物の歯科医」は存在することを実感しました。

    ブレイナー先生は40年も前から全身と歯科の関連を追及し、常に科学的な姿勢を崩さすにその研究と臨床に没頭されてきました。
    そして診療に用いる手法もホメオパシーはじめとするエネルギー 療法を数多く採用され、さらに日々研鑽されていることがよくわかりました。


    また単に数多くの代替医療のいわゆる"いいとこどり"をするのでなく、それぞれをしっかりとマスターされるまで勉強されているところが素靖らしいと思います。

     

    私もホ メオパシーを学び始めて10年が過ぎますが、やっと基本がわかりはじめたところです。
    日本におい てもブレイナー先生がおっしゃるようなホメオパシーを「ちょっとかじっただけ」の方もちらほらお見受けしますので、しっかり学んでいるかどうかは大変重要かと思います。

     

    また、日本ではまだまだ問題に上らないフッ素の危険性についても12ページに及ぶ考察が書かれているのには驚きました。
    これらの事実を日本の歯科界などはどう考えるのでしょうか?


    アマルガム問題同様、見て見ぬふりを決め込むとしたら今後に大きな禍根を残すことになると懸念するところであります。

    さらに、キャビテーション、親知らずの全身への影響の記載は興味深いものでした。
    そして、オゾンの歯科への応用も今後取り組みたい課題だと思います。

     

    患者への侵襲をより少なくするような治療法を常に模索されている姿に感銘いたしました。

     

    またこの本で触れられていないことで一つ希望を感じたことがあります。
    それは日本人ならでは手指の感覚を生かした手技療法の可能性です。

     

    私が現在研鑽を積んでおります癒道整体のように指先の微妙な感覚で全身と歯との関連を探れる可能性が多いにあり、その分野においては欧米をリードしていけるのでないかと密かに確信しています。

     

    日本からも世界に誇れる歯科的なアプローチが開発されれば、今までお世話になった恩返しができるのではないかと考えています。